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日経225 先物・オプション統合分析

JPX 取引参加者別建玉残高 デルタ金額ベース分析

📅 建玉基準日: 2026-06-19
📈 日経平均: 72,354 円
📊 TOPIX: 4,095 pt
💹 先物清算値: 71,250 円
📉 当週 ATM IV: 29.9 %
【ATM IV 6週推移】 28.4% ➡ 28.3% ➡ 28.4% ➡ 28.1% ➡ 34.0% ➡ 29.9%

日次先物・オプション需給モニター

当日データ: 2026-06-22 現値目安: 72,354 マイナーSQ 2026-07-10まで14営業日(次メジャーSQ 2026-09-11)

当日の限月別建玉増減・J-NET・権利行使価格別の当日フロー。週次の参加者別ポジション(建玉基準日時点)とは別レイヤー。

🤖 AI解釈(当日需給)

日経225およびTOPIXの先物・オプション市場における、2026年6月22日時点の当日デリバティブ公開データに基づいた需給分析レポートを報告します。


1. 確認済みデータ(事実)

(1) 先物・限月ロール状況

  • 次SQ区分: 2026-07-10【マイナーSQ】(残存14営業日、月曜、SQフェーズ: SQ週前)
    • ※次SQはオプションのみの清算。次のメジャーSQ(先物・オプション同時清算)は2026-09-11。
  • 日経225系(ラージ換算・主力2026-09): 期近前日比 +1,404枚 / 期先(2026-12)前日比 0枚
    • ※期近積み増し(ロールの動きはなし)
  • TOPIX系(ラージ換算・主力2026-09): 期近前日比 -1,112枚 / 期先(2026-12)前日比 0枚
    • ※建玉縮小中心(ロール限定的・移行率0%)
  • フロント先物清算値: 72,354円(前日比 +1,104円)

(2) J-NET比率(立会外執行の濃度)

  • 日経225先物: 19.6%(後場 32.8%)
  • 日経225mini: 13.9%(後場 18.8%)
  • TOPIX先物: 9.1%(後場 16.6%)
  • 日経225オプション: 57.0%(後場 64.6%)
  • TOPIXオプション: 100.0%(後場 100.0%)
    • ※日経225オプションJ-NET比率の平常比は、蓄積データ不足のため基準なし。

(3) Put/Call比率(日経225オプション全体)

  • 建玉PCR: 1.84倍(直近6営業日中のパーセンタイル50%=中央値水準)
  • 出来高PCR: 1.88倍

(4) 限月別オプション建玉・前日比・出来高

  • 2026-07限(期近・マイナーSQ対象):
    • Put建玉: 92,356(前日比 +2,882)/ 出来高 15,202
    • Call建玉: 54,674(前日比 +909)/ 出来高 8,686
  • 2026-08限(期先オプション):
    • Put建玉: 41,166(前日比 +1,687)/ 出来高 3,509
    • Call建玉: 14,133(前日比 +762)/ 出来高 1,194
  • 2026-09限(メジャー限月オプション):
    • Put建玉: 71,112(前日比 +328)/ 出来高 1,579
    • Call建玉: 42,670(前日比 +108)/ 出来高 887

(5) 主要攻防帯(権利行使価格別・限月コード別)

  • 建玉集中(上位抜粋):
    • 2607 C72,000 (5,762枚) [ATM-0.5%]
    • 2607 C69,000 (3,864枚) [ITM-4.6%]
    • 2607 C75,000 (3,189枚) [OTM+3.7%]
    • 2607 C69,250 (3,004枚) [ITM-4.3%]
    • 2607 C72,250 (3,001枚) [ATM-0.1%]
    • 2609 C72,000 (1,811枚) [ATM-0.5%]
  • 当日建玉増加(上位抜粋):
    • 2607 P65,000 (+1,857枚) [OTM-10.2%]
    • 2607 C90,000 (+416枚) [OTM+24.4%]
    • 2607 P68,000 (+408枚) [OTM-6.0%]
    • 2608 P68,000 (+398枚) [OTM-6.0%]

(6) max-pain(理論清算集中点・参考値)

  • 2607限(7月マイナーSQ対象): 65,000円(現値から-7,353円、乖離率 -10.2%)

(7) Proxy Gamma 集中(ガンマ感応度が高い価格帯・Absolute)

  • 2607限(σ仮定33%の近似値): 72,000、69,000、69,250、72,250、75,000(ピークは 72,000)

(8) IV・スクュー(2026-07限)

  • ATM IV: 32.7%(前日比 +2.8%)
  • 25δプットIV (63,000): 44.2%(前日比 +4.6%)
  • 25δコールIV (83,500): 32.9%(前日比 +3.8%)
  • プットスキュー (25δput - 25δcall): 11.3%(前日比 +0.8%)

2. 解釈と戦略仮説

(1) 先物需給の方向性解釈

フロント先物清算値が前日比+1,104円と大幅に上昇する中、日経225系(ラージ換算)の主力限月(2026-09)は前日比+1,404枚と「期近積み増し」を記録しました。「価格上昇+建玉増加」の組み合わせは、新規ロング(買い建て)が流入した可能性(候補)を示唆しています。 一方で、TOPIX系(ラージ換算)の主力限月(2026-09)は前日比-1,112枚と「建玉縮小中心」であり、「価格上昇+建玉減少」から、こちらはショートカバー(売り手仕舞い)が主導した可能性(候補)が考えられます。 なお、期先(2026-12)への移行率は0%であり、次SQがマイナーSQ(オプションのみ清算)である時間軸とも整合し、先物市場における限月ロールの動きは現時点で観察されません。

(2) J-NET比率の解釈

日経225オプションのJ-NET比率は57.0%(後場64.6%)と高い水準にあります。後場にかけて比率が上昇している点は、引け間際における大口のブロック執行(非方向性のポジション調整など)が行われた兆候として観察できます。ただし、立会取引との売買差引データがないため、これ単体で買い・売りの方向性を断定することはできません。

(3) オプション建玉増減とIV変化からみる戦略仮説

オプション全体の建玉PCR(1.84倍)は過去比較で中央値(50%)に位置し、中期的には平時通りの偏りですが、当日の限月別動向とIV変化の組み合わせからは以下の戦略仮説が浮上します。

  • 仮説①:下値ヘッジのプット買い(2026-07限・2026-08限)
    • 事実: 2026-07限においてPut建玉が前日比+2,882枚と大きく増加。同時に25δプットIVが+4.6%と急上昇し、プットスキューも+0.8%(11.3%)に拡大しています。特に、現値から約10%下方の2607 P65,000(前日比+1,857枚)や、約6%下方の2607 P68,000(前日比+408枚)で建玉が急増しています。
    • 仮説: 先物価格が大幅上昇したにもかかわらず、下値プットのIVと建玉が同時に急増していることから、機関投資家やヘッジファンドが「上昇局面を利用した、安価なアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)プットによる下値ヘッジ買い」を積極的に入れた可能性が考えられます。また、期先の2026-08限でも2608 P68,000(前日比+398枚)が急増しており、中期的にも下値警戒を怠らないヘッジ戦略(プット買い、またはプット・スプレッドの買い候補)が推測されます。
  • 仮説②:上抜けヘッジのコール買い、またはコール売り手の買い戻し(2026-07限)
    • 事実: 2026-07限のCall建玉は前日比+909枚とPutに比べ緩やかですが、25δコールIVは+3.8%上昇しています。
    • 仮説: 現値近傍の主要な建玉集中帯である2607 C72,000(5,762枚)や2607 C72,250(3,001枚)において、先物の急騰に伴い、上抜けに対するヘッジのコール買い、あるいはコール売り手が損失限定のために買い戻しを迫られた可能性(候補)が考えられます。

(4) 主要攻防帯とProxy Gamma、max-painの位置づけ

  • 主要攻防帯(建玉集積): 現値(72,354円)に極めて近い2607 C72,000(5,762枚)および2607 C72,250(3,001枚)は、当日のProxy Gamma(ガンマ感応度)のピークとも一致しており、「現値近傍で最も感応度が高く、売り手・買い手の攻防が激化しやすい主要攻防帯」として位置づけられます。
  • max-pain(65,000円): 2026-07限のmax-painは65,000円と、現値から-10.2%と極めて大きく下方に乖離しています。この水準は現時点では「遠いテール」に位置するため、短期的な価格形成力(Pinning圧力)は極めて弱い(参考度低)と判断されます。ただし、オプション建玉全体の重心が依然として下方に偏っていることを示すシグナルとして、中長期的な下振れリスクの目安には留まります。

3. 推測・シナリオ

(1) 上振れシナリオ

翌営業日以降、先物価格がさらに上昇し、主要攻防帯である2607 C72,250(3,001枚)を明確に上抜けて推移する場合、コールの売り手によるデルタヘッジ(先物買い)やコールの買い戻しが誘発され、上昇モメンタムが加速する可能性があります。 * 監視条件: 25δコールIV(32.9%)およびATM IV(32.7%)がさらに上昇するか、また日経225先物(2026-09)の建玉が「価格上昇+建玉増」を維持して新規買いの流入を示唆するか。

(2) 下振れシナリオ

先物価格が反落し、現値近傍のサポート候補である2607 C72,000(5,762枚)を下回った場合、本日大量に仕込まれた可能性のある下値プット(2607 P68,0002607 P65,000など)への接近に伴い、プット買い手のデルタヘッジ(先物売り)や、プット売り手の防衛的な先物売りが巻き起こり、下落が加速する可能性があります。 * 監視条件: プットスキュー(11.3%)がさらに拡大し、25δプットIV(44.2%)が急騰するか。


4. 確認不能・追加確認すべきデータ

当日の公開データのみでは以下の要素が確定できないため、今後の追加データや他指標との照合が必要です。

  1. 立会とJ-NETの売買差引(ネット買い/売り越し枚数):
    • J-NET比率の高さは確認できますが、大口が実際に「買い建て」したのか「売り建て」したのか、最終的なネットポジションの方向性は確認不能です。
  2. Dealer GEXの符号(Positive / Negative GEX):
    • Proxy Gammaの集中帯(72,000付近)は判明していますが、市場全体のガンマが正(逆張り的に作用)か負(順張り・ボラティリティ拡大に作用)かは、買い手/売り手の符号(ポジションの正負)が不明なため断定できません。
  3. IV・スキューの時系列推移:
    • 本日のIV上昇が一時的な需給の歪み(イベント通過等によるもの)なのか、持続的なボラティリティ上昇トレンドの始まりなのかは、複数日の時系列変化を観察する必要があります。
  4. 現物市場の需給(裁定残高・現物引け値):
    • 先物主導の上昇に対して、現物市場の追随度合いや裁定解消売りの圧力の有無は、本デリバティブデータからは確認不能です。

※AIによる解釈で、断定的判断ではありません。公開データの範囲での示唆です。

🔁 限月ロール(先物・建玉残高と前日比)

商品 期近(限月/建玉/前日比) 期先(限月/建玉/前日比) ロール
TOPIX 2026-09 392,381 -1,169 2026-12 4,455 +0 建玉縮小中心(ロール限定的)(移行率0%)
日経225mini 2026-09 154,670 +3,045 2026-12 3,930 -30 期近積み増し(ロールでない)
日経225 2026-09 140,421 +1,093 2026-12 16,906 +3 期近積み増し(ロールでない)
日経225マイクロ 2026-09 59,638 +668 2026-12 3,658 -49 期近積み増し(ロールでない)
ミニTOPIX 2026-09 36,469 +567 2026-12 15 +0 期近積み増し(ロールでない)
日経225系(ラージ換算):期近2026-09 +1,404枚 / 期先2026-12 +0期近積み増し(ロールでない)
TOPIX系(ラージ換算):期近2026-09 -1,112枚 / 期先2026-12 +0建玉縮小中心(ロール限定的)(移行率0%)

※mini/マイクロをラージ換算合算した系統全体のロール像。

📦 J-NET比率(立会外取引の割合)

商品 総取引高 J-NET J-NET比率 後場J-NET比率
日経225先物 33,402 6,538 19.6% 32.8%
日経225mini 497,890 69,298 13.9% 18.8%
TOPIX 45,173 4,097 9.1% 16.6%
日経225オプション 35,572 20,280 57.0% 64.6%
TOPIXオプション 1,175 1,175 100.0% 100.0%

※J-NET比率が高い=大口ブロック/クロス/ロール/裁定/ヘッジが多い可能性。方向性の確定材料ではない。

⚖ Put / Call(日経225オプション)

Put建玉
204,634
Call建玉
111,477
Put/Call 建玉比
1.84倍
Put出来高
23,235
Call出来高
12,337
Put/Call 出来高比
1.88倍

📅 限月別オプション建玉(期近→期先・P/C別/前日比)

限月 Put建玉前日比 Call建玉前日比 P/C比出来高P/C
2026-07 92,356 +2,882 54,674 +909 1.69倍 15,202/8,686
2026-08 41,166 +1,687 14,133 +762 2.91倍 3,509/1,194
2026-09 71,112 +328 42,670 +108 1.67倍 1,579/887

※ どの限月でP/Cどちらが増えたかから戦略仮説(ヘッジ/カレンダー/ボラ取り等)を読む。買い建て/売り建ての別は公開建玉からは確定不能。

📌 max-pain・PCR過去比較

max-pain(限月2607・参考値)
65,000
現値下方 7,353円
現値から大きく乖離(短期攻防の中心ではない・参考度低)
PCR建玉比 過去比較(直近6営業日)
上位 50%
中央値1.84倍・1.79〜1.86倍

※max-painは満期清算が寄りやすい参考水準で、Pinning断定ではない。PCRは絶対値でなく過去比で偏りを見る。

🌊 IVスキュー&先物価格(限月202607)

フロント先物清算: 72,354円(前日比+1,104円)
ATM IV 32.7%(前日比+2.8%) / 25δプットIV(63,000) 44.2%(前日比+4.6%) / 25δコールIV(83,500) 32.9%(前日比+3.8%)
プットスキュー(25δput-25δcall): 11.3%(前日比+0.8%)(プラス=下値プット割高=下方警戒)

※建玉増減×IV変化で戦略を判定: Put建玉増+Put IV上昇=下値ヘッジ買い候補/Put建玉増+Put IV低下=Put売り候補 等。

🌀 Proxy Gamma 集中(Absolute・符号不明)

ガンマ感応度が高い帯(限月2607・σ仮定33%): 72,000、69,000、69,250、72,250、75,000(ピーク 72,000)

※BSガンマ×建玉の近似。買い手/売り手の符号は不明=Positive/Negative GEXは確定不能。IV未取得でσ仮定のため水準は近似。

🎯 主要攻防帯(建玉集中・当日増加/限月コード付き)

建玉集中 上位
2607 C 72,000 5,762 ATM-0.5%
2607 C 69,000 3,864 ITM-4.6%
2607 C 75,000 3,189 OTM+3.7%
2607 C 69,250 3,004 ITM-4.3%
2607 C 72,250 3,001 ATM-0.1%
2607 C 70,000 1,921 ITM-3.3%
2609 C 72,000 1,811 ATM-0.5%
2609 C 70,000 1,665 ITM-3.3%
2608 P 68,000 1,512 OTM-6.0%
2608 C 70,000 1,414 ITM-3.3%
当日 建玉増加 上位
2607 P 65,000 +1,857 OTM-10.2%
2607 C 90,000 +416 OTM+24.4%
2607 P 68,000 +408 OTM-6.0%
2608 P 68,000 +398 OTM-6.0%
2607 P 60,000 +279 OTM-17.1%
2608 P 55,000 +272 OTM-24.0%
2608 P 65,000 +263 OTM-10.2%
2609 P 50,000 +254 OTM-30.9%
2607 C 77,000 +233 OTM+6.4%
2608 C 74,500 +205 OTM+3.0%
出来高 上位
2607 P 65,000 2,547 OTM-10.2%
2607 C 80,000 1,305 OTM+10.6%
2607 P 60,000 1,091 OTM-17.1%
2607 C 90,000 815 OTM+24.4%
2607 P 58,000 736 OTM-19.8%
2607 P 68,000 641 OTM-6.0%
2607 P 50,000 550 OTM-30.9%
2607 C 77,000 544 OTM+6.4%
2607 P 66,250 537 OTM-8.4%
2607 P 55,000 502 OTM-24.0%

※感応度が高い価格帯・建玉集中帯の候補。必ず止まる「Pinning価格」ではない。同一Strikeでも限月が違えば別物(合算しない)。

AI Market Insights CIO VIEW

JPX市場需給分析レポート(基準日: 2026年6月19日)

本レポートは、2026年6月19日時点の最新市場データおよびデリバティブ市場における各プレイヤーの建玉状況に基づき、グローバル・マクロおよび需給の観点から日本株市場の現状と短期・中長期の見通しを分析したものである。


1. 今週の需給コンセンサス

現物指数(日経平均株価: 72,354円、TOPIX: 4,095 pt)が6週高値を更新する中、市場の需給コンセンサスは「米系主導の買いと欧州系の断続的な売りが衝突する、強弱感が激しく対立した地合い」を示唆している。

主要ブローカー経由のフロー分析

当週の需給を主導したのは、米系および欧州系の大手ブローカー経由の極めて大規模なフローである。

  • JPモルガン(JPM)経由のフロー: 当週、前週比合計で▲4,451億円の大幅な買い越しを執行し、累積デルタは+13,814億円に達している。内訳を見ると、日経225先物合算では-1,642億円(ラージ -2,454億円、mini +812億円)と売り越し基調であるものの、TOPIX先物において+15,510億円という巨額の買い越し建玉を維持している。TOPIX先物はグローバルな年金・パッシブファンドの資金移動を反映しやすいため、JPM経由のこの巨額の買い越しは、グローバル機関投資家による日本株アロケーション増加の強力な先行シグナルとして解釈できる。
  • ゴールドマン・サックス(GS)経由のフロー: 一方で、トレンドフォロワーとして注目されるGS経由のフローは、前週比合計で▼1,903億円の売り越しとなり、累積デルタは-5,818億円まで売り越し幅を拡大している。内訳は日経225合算で-1,981億円、TOPIX先物で-3,792億円、オプション(デルタ)で-44億円と、先物主体で慎重な姿勢を示している。

需給のメインシナリオ(強気)

JPM経由のTOPIX先物への巨額の資金流入が示す通り、グローバルな長期資金の日本株シフトが継続している可能性が高い。現物指数が72,354円と高値圏にあることは、この現物買いを伴う「両輪買い」に近い需給構造が下支えしていることを示唆している。

懐疑シナリオ(弱気)

しかし、GS経由の先物売り越しに加え、当週は欧州系全体で▼6,481億円という極めて大規模な売り越しが観測されている。特にHSBC証券経由では前週比▼15,358億円(累積-32,511億円)という巨額の売り越しが記録されており、一部の海外マクロ系ファンドによる利益確定、あるいはヘッジ目的の先物売り圧力が上値を抑えるリスクには十分な警戒が必要である。


2. 短期的なリスク展望

短期的な市場環境を測る上で、オプション市場のボラティリティおよび建玉状況は重要なシグナルを発している。

IV(インプライド・ボラティリティ)の評価

当週のATM IV(当週実測値)は29.9%(Put IV: 27.9% / Call IV: 31.8%)を記録している。前週の34.0%からは低下しているものの、依然として25〜30%の「注意圏・ボラタイル」な水準に位置している。 * コールの相対的高さ: Call IV(31.8%)がPut IV(27.9%)を上回る「コール・スキュー」の傾向が見られる。これは、現物の上昇に伴い、さらなる急騰を警戒または期待したコール買いの需要が強いことを示唆している。 * オプション戦略への示唆: IVが29.9%と高水準にあるため、オプションの単純な買い(ロング・ベガ)は時間価値の減衰(セータ)およびIV剥落リスクに対して不利になりやすい。方向性を狙う場合でも、クレジット・スプレッドやデビット・スプレッドなど、損失を限定しつつボラティリティの歪みを利用するスプレッド戦略が推奨される。

主要攻防帯とピンニングリスク

当週のATMストライクは71,250円(先物清算値と同水準)である。この価格帯は建玉が集中する主要攻防帯(感応度が高い価格帯)として機能する可能性が高く、SQに向けて価格がこの水準に引き寄せられる、あるいはこの水準を突破した際にヘッジ売買が加速するリスクを内包している。米系の公開建玉ベースの部分ネットデルタ推計は+46億円とほぼ均衡(中立圏)しているが、これはディーラーのヘッジ姿勢がニュートラルであることを意味せず、突発的な価格変動に対してヘッジフローがどちらの方向にも傾き得る状態であることを示唆している。


3. 個人(ネット系)動向

個人投資家の動向を反映しやすいネット系証券のポジションは、当週、前週比で▼2,292億円の大幅な売り越しとなり、累積ポジションは-4,299億円まで売り越し幅を拡大している。

逆張り指標としての解釈

ネット系は過去6週間において、相場が上昇する局面(現値72,354円は6週高値)で一貫して売り越しを積み上げており(05-15の-3,094億円から06-19の-4,299億円)、典型的な「逆張り(利益確定売りまたは新規空売り)」の行動パターンを示している。 * 市場への影響: 個人投資家が売り(ショート)に傾いていることは、相場がさらに上昇した場合に、これらのポジションの買い戻し(ショートカバー)を巻き込んだ上昇の燃料となり得ることを示唆している。 * 反対解釈: 一方で、個人が利益確定を急いでいるということは、国内リテール資金の新規の買い余力が一時的に低下している可能性もあり、海外勢の買いフローが途絶えた場合には、サポート不在による調整局面を早める要因とも解釈できる。


4. 中長期トレンド分析(過去6週ベース)

過去6週間の属性別ポジション推移およびIVの推移を俯瞰すると、マクロ的な需給のうねりとプレイヤー間の構造的な役割交代が鮮明に浮かび上がる。

プレイヤーの役割交代と資金フローの持続性

  • 米系と欧州系の完全な二極化: 米系は6週間で累積ポジションを+1,897億円増加(+11,158億円から+13,055億円)させたのに対し、欧州系は-9,671億円減少(-9,885億円から-19,557億円)させている。この動きは、欧州系経由のヘッジファンドやCTAによる断続的な利益確定・ショート戦略に対し、米系経由のリアルマネー(長期投資家)がTOPIX先物などを通じて日本株を買い受けるという、明確な「受け皿」の構図を示している。
  • 日系(国内機関投資家・事業法人)の存在感: 日系は6週間で+9,272億円増加(+420億円から+9,692億円)と、最も顕著な買い越しトレンドを示している。これは、新年度入り後の事業法人による自社株買いの執行や、信託銀行(GPIF等)によるリバランス買い、あるいは国内機関投資家の新規資金配分が、中長期的な下値支持として強力に機能していることを裏付けている。

IVの時系列推移と市場心理の変遷

過去6週のATM IV推移は以下の通りである。 28.4% ➡ 28.3% ➡ 28.4% ➡ 28.1% ➡ 34.0% ➡ 29.9%

5月中旬から6月上旬にかけては28%台前半で極めて安定的に推移していたが、前週(06-12)に34.0%へと急騰した。これは地政学リスクの台頭や一時的な急落局面におけるパニック的なプット買いが主導したとみられる。当週(06-19)は29.9%へと低下し、最悪期のパニック心理は和らぎつつあるものの、依然として平穏期(15〜20%)を大きく上回る高水準にある。

総括

中長期的な日本株のトレンドは、日系および米系(特にJPM経由のTOPIX先物)の強力な買いフローに支えられ、現物主導の上昇トレンドを維持している。しかし、欧州系(特にHSBCやBNPパリバ経由)の巨額の先物売り越しが累積していること、およびIVが29.9%と高止まりしている事実は、市場が依然として潜在的なボラティリティの再スパイク(急激な巻き戻し)に対して神経質になっていることを示している。押し目買いの優位性は維持されていると考えられるが、急激な先物主導の乱高下に備え、リスク管理を厳格に保つべき局面である。


🌍 追跡対象ネット・エクスポージャー: -53 億円

※市場全体では買建と売建が必ず一致しゼロです。本値は当システムが公表データから取得できた 参加者・対象商品・対象限月を合計した参考値で、未掲載参加者・対象外限月・対象外商品は含みません。

先物合計: -53
OP合計: -0
前週データ: 2026-06-19

🎯 ブローカー経由別ポジション&前週比 (統合デルタ・億円)

🇺🇸 米系ブローカー経由
ネット買い越しプロキシ
+13,055 億円
― 変動なし
先物: +13,008
OP: +46
🇪🇺 欧州系ブローカー経由
ネット売り越しプロキシ
-19,557 億円
― 変動なし
先物: -19,538
OP: -18
🇯🇵 日系ブローカー経由
ネット買い越しプロキシ
+9,692 億円
― 変動なし
先物: +9,661
OP: +31
💻 オンライン証券経由
ネット売り越しプロキシ
-4,299 億円
― 変動なし
先物: -4,253
OP: -46
📁 その他
ネット買い越しプロキシ
+1,055 億円
― 変動なし
先物: +1,069
OP: -13

📈 ブローカー経由別建玉推移(直近6週) (統合デルタ・億円)

📊 異常値バッジの見方: 🔴Z:+3.2 異常値(|Z| ≥ 3.0)過去平均から3標準偏差以上の乖離。極めて稀なポジション変動。 🟡Z:+2.3 注意(|Z| ≥ 2.0)過去平均から2標準偏差以上の乖離。通常の変動域を超えている。 ※過去8週の実績値を基準に計算(履歴4週未満の場合は表示なし)

📋 証券会社別 詳細テーブル (統合)

証券会社 日経先物合計
(億円)
TOPIX
(億円)
オプション
(億円)
統合合計
(億円)
前週比
日系 野村証券
+22,334 -5,529 +45 +16,850 ― 変動なし
米系 JPモルガン証券
-1,642 +15,510 -54 +13,814 ― 変動なし
欧州系 ソシエテG証券
+7,412 +5,697 -19 +13,091 ― 変動なし
米系 シティグループ証券
+1,368 +3,386 +43 +4,798 ― 変動なし
欧州系 ドイツ証券
+2,066 +1,985 +0 +4,051 ― 変動なし
日系 SMBC日興証券
+3,767 -920 -7 +2,840 ― 変動なし
欧州系 UBS証券
+4,012 -1,520 -74 +2,418 ― 変動なし
欧州系 ABNクリアリン証券
+3,072 -711 -14 +2,347 ― 変動なし
欧州系 バークレイズ証券
+6,876 -5,136 +60 +1,800 ― 変動なし
その他 日産証券
+1,106 +266 +0 +1,372 ― 変動なし
米系 ビーオブエー証券
-1,160 +1,723 +64 +627 ― 変動なし
その他 サスケハナ・ホンコン
+193 +9 +2 +204 ― 変動なし
その他 東海東京証券 🟡Z:+2.15
+211 -11 +0 +200 ― 変動なし
その他 三菱UFJeスマート
+94 +74 -5 +164 ― 変動なし
その他 フィリップ証券
+68 +8 -2 +74 ― 変動なし
ネット系 楽天証券
+45 +0 -14 +31 ― 変動なし
ネット系 松井証券
-39 +54 -13 +2 ― 変動なし
その他 広田証券
+0 +0 +0 +0 ― 変動なし
ネット系 マネックス証券
-5 +0 -0 -5 ― 変動なし
その他 豊証券
-1 -7 +0 -7 ― 変動なし
その他 三田証券
-9 +0 +0 -9 ― 変動なし
その他 岩井コスモ証券
-14 +0 -0 -14 ― 変動なし
その他 光世証券
-38 +0 +0 -38 ― 変動なし
その他 岡三証券
-7 -32 +0 -40 ― 変動なし
その他 立花証券
-109 +0 +0 -109 ― 変動なし
その他 インタラクティブ証券
+0 -113 -8 -121 ― 変動なし
日系 大和証券
+499 -831 +0 -332 ― 変動なし
米系 モルガンMUFG証券
-10,780 +10,376 +37 -367 ― 変動なし
その他 ナティクシス証券
-619 +0 +0 -619 ― 変動なし
日系 みずほ証券
-4,868 +3,407 -6 -1,467 ― 変動なし
ネット系 SBI証券
-1,505 -2,803 -19 -4,327 ― 変動なし
米系 ゴールドマン証券
-1,981 -3,792 -44 -5,818 ― 変動なし
日系 三菱UFJ証券
-5,427 -2,772 +0 -8,199 ― 変動なし
欧州系 BNPパリバ証券
+481 -11,262 +29 -10,752 ― 変動なし
欧州系 HSBC証券
-25,466 -7,046 +0 -32,511 ― 変動なし

データ出典: JPX 取引参加者別建玉残高一覧

生成日時: 2026-06-23 00:34 JST | 建玉基準日: 2026-06-19 | 次回SQ算出日: 2026-07-10(残存 15営業日)

⚠ 本値は簡易Black-Scholesデルタによる概算です。建玉残高は基準日時点であり当日フローではありません。 Dealer GEX・Gamma Flip・ゼロガンマ水準・Pinning は公開データから確定できません。投資判断の参考としてのみご利用ください。