JPX 取引参加者別建玉残高 デルタ金額ベース分析
当日の限月別建玉増減・J-NET・権利行使価格別の当日フロー。週次の参加者別ポジション(建玉基準日時点)とは別レイヤー。
本レポートは、2026年6月19日時点のJPX公開デリバティブデータに基づき、2026年7月10日のMSQに向けた当日の需給動向をプロのアナリストの視点から分析・解釈したものです。
当日の公開データから確認される数値事実は以下の通りです。
当日データから合理的に導かれる解釈、および機関投資家やヘッジファンドが取り得る戦略の仮説は以下の通りです。
日経225miniおよび日経225ラージにおいて、期近(2026-09)の建玉が減少し、期先(2026-12)の建玉が増加するロール進行の初期兆候が見られます。ただし、メジャーSQ(9月)までは十分な時間があるため、現段階では緩やかなポジション調整の域を出ません。 J-NET比率は、日経225オプションで全体65.5%(後場76.9%)、TOPIXオプションで100%に達しており、極めて高い「立会外執行の濃度」を示しています。これは、市場参加者間での相対取引による大口のポジション調整やヘッジ組成が主導していることを意味します。ただし、立会取引とJ-NET取引の売買差引(買い越し・売り越しの照合データ)がないため、これをもって市場の方向性を断定することはできません。
Put/Call建玉比は1.82倍と絶対値ではプット超過ですが、直近4営業日との過去比較においてはパーセンタイル50%(中央値1.84倍)と、レンジのほぼ中央に位置しています。したがって、「いつもよりプットまたはコールに偏っている」とは言えず、平時通りのヘッジ需要が維持されている状態と解釈されます。
各限月のP/C別の増減から、以下のような戦略仮説が立てられます。ただし、買い建て・売り建ての別や取引主体は確定できないため、あくまで仮説の域にとどまります。
建玉集中帯としては、C69,000やC65,000、P65,000などが感応度の高い主要攻防帯の候補として挙げられます。現値(66,020)に最も近い主要な建玉集積地はC66,000(1,390枚)やP65,000(2,740枚)です。 当日の建玉増加上位を見ると、P68,000(+710枚)やP66,000(+310枚)など、現値近辺および現値より上方のプットの増加が目立ちます。これは、イン・ザ・マネーまたはアット・ザ・マネー付近でのヘッジの再構築や、何らかの合成ポジションの調整が行われた可能性を示唆します。 また、2026-07限月のmax-painは65,000に位置しており、現値(66,020)から下方1,020円乖離しています。これは「満期時にオプション買い方への支払い総額が最小となる理論上の清算集中点」であり、SQ算出に向けて意識されやすい参考水準(候補)ですが、必ずしもこの価格に収束(Pinning)することを保証するものではありません。
翌営業日に向けた上振れ・下振れのシナリオ、および監視条件は以下の通りです。
本日の公開データだけでは不足しており、今後の方向性や需給の強弱をより正確に判断するために追加で確認すべきデータは以下の通りです。
※AIによる解釈で、断定的判断ではありません。公開データの範囲での示唆です。
| 商品 | 期近(限月/建玉/前日比) | 期先(限月/建玉/前日比) | ロール |
|---|---|---|---|
| TOPIX | 2026-09 393,550 +1,601 | 2026-12 4,455 +0 | - |
| 日経225mini | 2026-09 151,625 -1,730 | 2026-12 3,960 +449 | ロール進行 |
| 日経225 | 2026-09 139,328 -1,741 | 2026-12 16,903 +5 | ロール進行 |
| 日経225マイクロ | 2026-09 58,970 +5,082 | 2026-12 3,707 +1,021 | - |
| ミニTOPIX | 2026-09 35,902 -152 | 2026-12 15 +0 | - |
| 商品 | 総取引高 | J-NET | J-NET比率 | 後場J-NET比率 |
|---|---|---|---|---|
| 日経225先物 | 45,362 | 9,738 | 21.5% | 35.2% |
| 日経225mini | 682,291 | 70,856 | 10.4% | 10.1% |
| TOPIX | 64,399 | 7,859 | 12.2% | 19.3% |
| 日経225オプション | 34,350 | 22,515 | 65.5% | 76.9% |
| TOPIXオプション | 6,154 | 6,154 | 100.0% | 100.0% |
※J-NET比率が高い=大口ブロック/クロス/ロール/裁定/ヘッジが多い可能性。方向性の確定材料ではない。
| 限月 | Put建玉 | 前日比 | Call建玉 | 前日比 | P/C比 | 出来高P/C |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026-07 | 89,474 | +367 | 53,765 | -706 | 1.66倍 | 8,836/9,295 |
| 2026-08 | 39,479 | +1,134 | 13,371 | +1,506 | 2.95倍 | 2,731/1,968 |
| 2026-09 | 70,784 | +1,447 | 42,562 | +74 | 1.66倍 | 4,339/1,676 |
※ どの限月でP/Cどちらが増えたかから戦略仮説(ヘッジ/カレンダー/ボラ取り等)を読む。買い建て/売り建ての別は公開建玉からは確定不能。
※max-painは満期清算が寄りやすい参考水準で、Pinning断定ではない。PCRは絶対値でなく過去比で偏りを見る。
| C | 69,000 | 3,964 |
| C | 65,000 | 3,885 |
| P | 65,000 | 2,740 |
| P | 64,000 | 1,735 |
| C | 65,000 | 1,557 |
| P | 64,000 | 1,517 |
| C | 66,000 | 1,390 |
| P | 64,000 | 1,342 |
| P | 67,000 | 1,248 |
| C | 68,000 | 1,245 |
| P | 68,000 | +710 |
| P | 66,000 | +310 |
| P | 67,000 | +200 |
| P | 69,000 | +129 |
| P | 64,000 | +100 |
| P | 65,500 | +100 |
| P | 65,000 | +86 |
| P | 66,500 | +70 |
| P | 66,000 | +31 |
| P | 67,000 | +16 |
| C | 67,500 | 937 |
| P | 68,000 | 873 |
| C | 65,500 | 625 |
| P | 65,000 | 420 |
| P | 66,000 | 316 |
| P | 67,000 | 250 |
| P | 69,000 | 239 |
| P | 66,000 | 219 |
| P | 64,000 | 210 |
| P | 64,000 | 203 |
※感応度が高い価格帯・建玉集中帯の候補。必ず止まる「Pinning価格」ではない。
※現値指数(71,053円)は取得異常の可能性があり、本レポートでは先物清算値(66,020円)およびATMストライク(66,000円)を基準価格として記述します。
当週(集計日: 2026-06-12)の日本株市場における需給コンセンサスは、「強弱感が極端に対立する、ボラティリティを伴った神経質なレンジ相場」を示唆しています。市場を主導する海外勢のフローは一方向ではなく、ブローカー経由のデータからは明確な役割分担と戦略の乖離が観察されます。
米系ブローカー経由のフローは、前週比で▲3,516億円の買い越しとなっており、一見すると強気に見えますが、その内訳は極めて対照的です。
当週の最も顕著な需給変化は、欧州系の大幅な売り越し(▼9,274億円)と、日系の大幅な買い越し(▲6,494億円)の衝突です。 * HSBC証券(欧州系): 当週▼15,880億円(累積-33,033億円)と大規模な売り越しを実行。Zスコアは-2.69(注意水準)に達しており、欧州系マクロファンドやCTAによる急激なリスクオフ・フローがHSBC経由で執行された可能性を示唆しています。 * 野村証券(日系): 当週▲10,734億円(累積19,974億円)と大幅に買い越し。Zスコアは+2.46(注意水準)。国内機関投資家や逆張り主体の押し目買いフローが野村経由で強く入ったと解釈できます。
【需給コンセンサスの結論】 JPM経由に見られる中長期の日本株買い(TOPIX先物)が下値を支える一方で、HSBC経由の攻撃的な先物売りが上値を抑えており、先物清算値66,020円を中心とした激しい攻防が行われています。
当週のオプション市場において最も警戒すべきは、ATM IV(インプライド・ボラティリティ)の急激な上昇です。 * 今週のATM IV(当週実測値): 34.0%(Put IV: 34.0% / Call IV: 34.1%) * 前週の28.1%から+5.9%と急激に上昇しており、市場参加者が突発的なテールリスク(地政学リスクの再燃やマクロ指標の悪化など)を極めて強く警戒している「高IV局面(パニック的売買の兆候)」に突入しています。
ATM IVが34.0%という高水準にある中、先物清算値(66,020円)はATMストライク(66,000円)の極めて近くに位置しています。この66,000円付近はオプションの建玉が集中する「主要攻防帯(感応度が高い価格帯)」です。 仮に外部環境の悪化により先物価格が66,000円を明確に下抜けた場合、オプション・ディーラーによるデルタヘッジの売り(順張りヘッジ)が機械的に執行され、下落スピードが加速するリスクがあります。特にHSBC経由の売り圧力が継続する場合、下値支持線として期待される65,000円方向への急落に注意が必要です。
一方で、米系(JPM等)によるTOPIX先物買いに裏付けられた実需の買いが機能し、先物価格が66,000円台を維持、あるいは67,000円方向へ反発した場合、溜まっている短期的な先物ショート(GSや欧州系経由の売り玉)の巻き戻し(ショートカバー)を誘発し、一時的な急反発を見せるシナリオも想定されます。
IVが34.0%と非常に高いため、オプションのネイキッド(裸)売りは極めて危険です。方向性を狙う場合でも、クレジット・スプレッドやデビット・スプレッドなど、最大損失が限定されたスプレッド戦略に限定すべきです。また、提示された建玉残高は基準日(6月12日)時点のものであり、リアルタイムの当日フローではない点に留意し、週明けのCVD(累積デルタ)の傾きを確認しながらエントリータイミングを計る必要があります。
個人投資家の動向を反映しやすいネット系は、当週▼1,399億円の売り越し(直近6週では▲2,951億円の増加)となっています。
過去6週間の属性別ポジション推移およびIVの推移を俯瞰すると、市場の構造変化とマクロ的な需給のうねりが見えてきます。
中長期の需給構造は、「米系実需・日系リバランス(買い手)」vs「欧州系マクロ・CTA(売り手)」の構図がより鮮明になっています。IVの急上昇は短期的な波乱を予兆していますが、JPM経由のTOPIX先物に見られる中長期の買いフローが継続する限り、トレンドの完全な崩壊ではなく、ボラティリティを伴った「健全な価格調整と押し目形成」のプロセスである可能性が高いと考えられます。
※市場全体では買建と売建が必ず一致しゼロです。本値は当システムが公表データから取得できた 参加者・対象商品・対象限月を合計した参考値で、未掲載参加者・対象外限月・対象外商品は含みません。
| 証券会社 | 日経先物合計 (億円) |
TOPIX (億円) |
オプション (億円) |
統合合計 (億円) |
前週比 |
|---|---|---|---|---|---|
|
日系
野村証券
🟡Z:+2.5
|
+24,959 | -4,888 | +0 | +20,071 | ▲ +10,831 億円 |
|
米系
JPモルガン証券
|
-551 | +15,591 | -43 | +14,998 | ▲ +5,634 億円 |
|
欧州系
ソシエテG証券
|
+6,907 | +5,877 | -43 | +12,740 | ▲ +5,720 億円 |
|
米系
シティグループ証券
🟡Z:+2.16
|
+1,677 | +2,068 | +0 | +3,745 | ▲ +1,643 億円 |
|
欧州系
UBS証券
|
+5,569 | -1,863 | +9 | +3,714 | ▲ +2,130 億円 |
|
日系
SMBC日興証券
|
+4,002 | -1,004 | +0 | +2,998 | ▲ +1,653 億円 |
|
米系
ビーオブエー証券
|
-526 | +2,471 | +96 | +2,041 | ▲ +748 億円 |
|
欧州系
ドイツ証券
|
+756 | +1,175 | -1 | +1,930 | ▲ +832 億円 |
|
その他
日産証券
|
+917 | +275 | +0 | +1,193 | ▲ +572 億円 |
|
欧州系
バークレイズ証券
|
+4,735 | -3,494 | -117 | +1,125 | ▲ +999 億円 |
|
その他
インタラクティブ証券
|
+484 | -58 | +2 | +428 | ▲ +226 億円 |
|
その他
フィリップ証券
🔴Z:+4.99
|
+230 | +9 | +0 | +239 | ▲ +120 億円 |
|
その他
三菱UFJeスマート
🟡Z:+2.12
|
+117 | +64 | -1 | +180 | ▲ +82 億円 |
|
その他
東海東京証券
🟡Z:+2.5
|
+106 | -16 | +1 | +91 | ▲ +47 億円 |
|
ネット系
楽天証券
|
+76 | +0 | +0 | +77 | ▲ +38 億円 |
|
ネット系
松井証券
|
+17 | +16 | -4 | +29 | ▲ +11 億円 |
|
ネット系
マネックス証券
|
+4 | +0 | +0 | +4 | ▲ +2 億円 |
|
その他
サスケハナ・ホンコン
|
-37 | +38 | +0 | +1 | ▼ -4 億円 |
|
その他
山和証券
|
+0 | +1 | +0 | +1 | ▲ +0 億円 |
|
その他
豊証券
|
-1 | +0 | +0 | -1 | ▼ -0 億円 |
|
その他
三田証券
|
-5 | +0 | +0 | -5 | ▼ -2 億円 |
|
その他
広田証券
|
-8 | +0 | +0 | -8 | ▼ -4 億円 |
|
その他
岩井コスモ証券
|
-21 | +0 | +0 | -21 | ▼ -11 億円 |
|
その他
岡三証券
|
+0 | -34 | +0 | -34 | ▼ -13 億円 |
|
その他
光世証券
|
-34 | -3 | +0 | -37 | ▼ -18 億円 |
|
その他
立花証券
|
-91 | +0 | +0 | -91 | ▼ -46 億円 |
|
日系
大和証券
|
+755 | -990 | +7 | -228 | ▼ -4 億円 |
|
欧州系
ABNクリアリン証券
|
-376 | -216 | +257 | -335 | ▼ -73 億円 |
|
その他
ナティクシス証券
🟡Z:-2.29
|
-613 | +0 | +0 | -613 | ▼ -312 億円 |
|
米系
モルガンMUFG証券
|
-11,238 | +10,009 | +26 | -1,203 | ▼ -1,829 億円 |
|
日系
みずほ証券
|
-5,393 | +2,788 | +14 | -2,591 | ▼ -1,700 億円 |
|
ネット系
SBI証券
|
-754 | -2,740 | -9 | -3,502 | ▼ -1,437 億円 |
|
米系
ゴールドマン証券
|
-2,116 | -4,651 | -7 | -6,775 | ▼ -2,861 億円 |
|
欧州系
BNPパリバ証券
|
+1,837 | -10,266 | +45 | -8,385 | ▼ -2,896 億円 |
|
日系
三菱UFJ証券
|
-5,561 | -2,982 | -229 | -8,772 | ▼ -4,197 億円 |
|
欧州系
HSBC証券
🟡Z:-2.7
|
-25,885 | -7,177 | -1 | -33,063 | ▼ -15,910 億円 |
データ出典: JPX 取引参加者別建玉残高一覧
生成日時: 2026-06-19 22:53 JST | 建玉基準日: 2026-06-12 | 次回SQ算出日: 2026-06-12(残存 0営業日)
⚠ 本値は簡易Black-Scholesデルタによる概算です。建玉残高は基準日時点であり当日フローではありません。 Dealer GEX・Gamma Flip・ゼロガンマ水準・Pinning は公開データから確定できません。投資判断の参考としてのみご利用ください。