JPX 取引参加者別建玉残高 デルタ金額ベース分析
当日の限月別建玉増減・J-NET・権利行使価格別の当日フロー。週次の参加者別ポジション(建玉基準日時点)とは別レイヤー。
本日のJPXデリバティブデータに基づき、2026年7月10日のマイナーSQ(特別清算指数算出日)に向けた需給状況について、プロのアナリストの視点から事実の整理、解釈、および戦略仮説をレポートします。
先物の主力限月は2026-09であり、日経225ラージおよびminiにおいて期近(09限月)の建玉が減少し、期先(12限月)が増加するロールの初期兆候が見られます。ただし、今回は7月マイナーSQ(オプションのみの清算)に向けた局面であるため、この先物ロールの動きは7月SQとは直接結びつかない、独立した中長期ポジションの調整プロセスと解釈されます。
日経225オプションのJ-NET比率は全体で65.5%と高く、さらに後場には76.9%へと上昇しています。日経225先物でも後場に35.2%(全体21.5%)への上昇が確認されます。これは引け間際において、大口投資家によるブロック取引(非方向性執行)が集中的に行われたことを示唆します。ただし、これらは立会外執行の濃度を示すのみであり、買い越し・売り越しの売買差引が不明であるため、これをもって相場の方向性を断定することはできません。
建玉PCRは1.82倍であり、直近5営業日の中央値(1.82倍)と一致し、パーセンタイルは60%に位置しています。過去比較において極端な偏りは見られず、平常の範囲内と言えます。一般にプット建玉の超過は下値ヘッジ需要に起因することが多く、これ自体が弱気の確証とはなりません。当日の出来高PCRは1.29倍と、短期的なフローはややプットに傾斜しています。
現値71,250から上昇した場合、最初の主要攻防帯であるC72,000(およびC72,250)が意識されます。この水準を明確に上抜けた場合、コールの売り手によるヘッジ買い(ショートカバー)を誘発し、上値への感応度が高まる可能性があります。その場合、当日建玉増加が見られたC73,000や、大口建玉の集積があるC75,000が次のターゲットとして意識されやすくなります。 * 翌営業日の監視条件:C72,000近傍での攻防、および同権利行使価格のコール建玉の増減(買い戻しや新規売りの動向)。
現値から下落した場合、まずは心理的節目かつ建玉集積のあるC70,000(およびその近傍のプット帯)が最初のサポート候補として意識されます。ここを下抜けると、当日建玉が大きく増加したP69,750やP69,000、さらに当日増加トップであるP68,000といった下方のプット集積地帯に向け、下押し圧力が強まるシナリオが想定されます。 * 翌営業日の監視条件:C70,000の維持、および下方のプット(P69,000〜P68,000)における建玉の新規積み増し状況。
当日の需給方向性をより精緻に判断するためには、本データだけでは不足しており、以下の追加データを確認する必要があります。
※AIによる解釈で、断定的判断ではありません。公開データの範囲での示唆です。
| 商品 | 期近(限月/建玉/前日比) | 期先(限月/建玉/前日比) | ロール |
|---|---|---|---|
| TOPIX | 2026-09 393,550 +1,601 | 2026-12 4,455 +0 | - |
| 日経225mini | 2026-09 151,625 -1,730 | 2026-12 3,960 +449 | ロール進行 |
| 日経225 | 2026-09 139,328 -1,741 | 2026-12 16,903 +5 | ロール進行 |
| 日経225マイクロ | 2026-09 58,970 +5,082 | 2026-12 3,707 +1,021 | - |
| ミニTOPIX | 2026-09 35,902 -152 | 2026-12 15 +0 | - |
| 商品 | 総取引高 | J-NET | J-NET比率 | 後場J-NET比率 |
|---|---|---|---|---|
| 日経225先物 | 45,362 | 9,738 | 21.5% | 35.2% |
| 日経225mini | 682,291 | 70,856 | 10.4% | 10.1% |
| TOPIX | 64,399 | 7,859 | 12.2% | 19.3% |
| 日経225オプション | 34,350 | 22,515 | 65.5% | 76.9% |
| TOPIXオプション | 6,154 | 6,154 | 100.0% | 100.0% |
※J-NET比率が高い=大口ブロック/クロス/ロール/裁定/ヘッジが多い可能性。方向性の確定材料ではない。
| 限月 | Put建玉 | 前日比 | Call建玉 | 前日比 | P/C比 | 出来高P/C |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026-07 | 89,474 | +367 | 53,765 | -706 | 1.66倍 | 8,836/9,295 |
| 2026-08 | 39,479 | +1,134 | 13,371 | +1,506 | 2.95倍 | 2,731/1,968 |
| 2026-09 | 70,784 | +1,447 | 42,562 | +74 | 1.66倍 | 4,339/1,676 |
※ どの限月でP/Cどちらが増えたかから戦略仮説(ヘッジ/カレンダー/ボラ取り等)を読む。買い建て/売り建ての別は公開建玉からは確定不能。
※max-painは満期清算が寄りやすい参考水準で、Pinning断定ではない。PCRは絶対値でなく過去比で偏りを見る。
| C | 72,000 | 5,788 |
| C | 69,000 | 3,964 |
| C | 75,000 | 3,063 |
| C | 69,250 | 3,004 |
| C | 72,250 | 3,001 |
| C | 70,000 | 1,900 |
| C | 72,000 | 1,811 |
| C | 70,000 | 1,755 |
| C | 66,000 | 1,390 |
| C | 70,000 | 1,378 |
| P | 68,000 | +710 |
| C | 75,000 | +625 |
| P | 66,000 | +310 |
| P | 69,750 | +294 |
| P | 67,000 | +200 |
| P | 69,000 | +129 |
| C | 73,000 | +100 |
| C | 73,000 | +82 |
| P | 66,500 | +70 |
| P | 69,500 | +50 |
| C | 67,500 | 937 |
| P | 68,000 | 873 |
| C | 75,000 | 743 |
| C | 72,000 | 586 |
| C | 75,000 | 572 |
| C | 73,000 | 452 |
| P | 66,000 | 316 |
| P | 69,750 | 303 |
| C | 76,000 | 283 |
| C | 74,000 | 259 |
※感応度が高い価格帯・建玉集中帯の候補。必ず止まる「Pinning価格」ではない。
集計基準日: 2026年6月12日 グローバル・チーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)分析
当週の日本株市場は、現物指数(日経平均株価 71,250円、TOPIX 4,095pt)が高値圏を維持する一方、デリバティブ市場における大口プレイヤーのフローは極めて激しく交錯しており、明確な方向性を欠いた「強弱対立」の様相を呈しています。なお、先物清算値(66,020円)と現値との間に乖離が見られますが、これは建玉基準日時点からの日数経過に伴う相場変動(基準日差)を反映したものであり、需給分析においては現値を基準価格として評価します。また、本レポートで言及する建玉残高はすべて基準日時点のものであり、当日のリアルタイムフローを示すものではない点に留意してください。
当週の需給を主導しているのは、米系ブローカー経由の買いフローと、欧州系ブローカー経由の強烈な売りフローの衝突です。
米系(JPM等)および国内勢(野村証券経由で前週比 +10,771億円、Zスコア: +2.47)の買いフローが下値を支える一方、欧州系(HSBC等)の売り圧力が上値を抑えており、市場のコンセンサスは「高値圏での拮抗」にあります。
当週の最も重要な変化は、オプション市場におけるボラティリティの急激な上昇です。今週のATM IV(当週実測値)は 34.0%(Put IV: 34.0% / Call IV: 34.1%、ATMストライク: 66,000)に達しており、前週の28.1%から急騰しています。 この34.0%という水準は、市場参加者が突発的な変動に対して極めて神経質になっている「高IV(パニック的売買の兆候)局面」に該当します。地政学リスクの再燃や、現物価格の急激な上昇に伴うコール・プット双方のヘッジ需要の爆発が背景にあると推論されます。
基準日時点のATMストライクである「66,000円」付近は、オプション建玉が集中する「主要攻防帯(感応度が高い価格帯)」として機能しています。 * 強気シナリオ: JPM経由のTOPIX先物買いに代表される実需の買いが継続し、現値71,250円をサポートに関門を突破する場合、売り手の買い戻し(ショートカバー)を巻き込んで上値を追う展開が想定されます。 * 弱気シナリオ(懐疑見通し): HSBC経由などの欧州系売り圧力がさらに強まり、高IV(34.0%)を背景としたボラティリティの急拡大が引き金となって、主要攻防帯である66,000円方向への急激な平均回帰(調整)が生じるリスクがあります。
IVが34.0%と高水準であるため、ネイキッド(裸)のオプション売りは極めて危険です。ボラティリティの剥落を狙う場合でも、クレジット・スプレッドなどの「損失限定スプレッド」に限定し、想定外の急激な価格変動に対する防御策を徹底することを推奨します。
個人投資家の動向を反映しやすいネット系証券経由のポジションは、前週比 -1,419億円(累積: -2,006億円)と売り越しに傾いています。
現物指数が71,250円と高値圏に位置する中で、ネット系が売り越しを継続していることは、個人投資家特有の「逆張り(利益確定売りおよび新規ショート)」の行動原理と一致します。 * 需給面への影響: 個人投資家の売り越し(ショートの蓄積)は、相場がさらに上昇した場合には「将来の買い戻し圧力(燃料)」として機能するため、短期的には相場の下値を支える要因(サポート)となり得ます。 * 注意点: ただし、相場が急落に転じた場合、これらの売りポジションは早期に利益確定され、下落のクッションとなる一方で、個人が買いに転じる(押し目買いを入れる)ことで、かえって需給がシコリ化するリスクも内包しています。現時点では、ネット系の売り越しは相場の上昇トレンドにおける「健全な逆行現象」の範囲内であると解釈されます。
直近6週間の属性別ポジション推移およびIVの推移を俯瞰すると、数週間単位でのマクロ的な需給のうねりとプレイヤーの役割交代が鮮明に浮かび上がります。
+16,856 ➡ +11,158 ➡ +10,742 ➡ +9,021 ➡ +6,161 ➡ +9,471 億円
6週間全体では -7,385億円の減少となっていますが、直近週(06-12)で再び買い越し幅を +9,471億円へと拡大させており、中長期的な買い主導力は依然として維持されています。一時的な買い手控えを経て、再び日本株への資金配分を再開している様子が窺えます。-11,707 ➡ -9,885 ➡ -15,512 ➡ -12,331 ➡ -12,018 ➡ -13,075 億円
6週間を通じて一貫して1兆円を超える大規模な売り越しを継続しており、累積の減少幅は -1,369億円となっています。欧州系ブローカー経由のフローは、日本株の上値を抑える構造的な売り圧力として機能し続けています。-236 ➡ +420 ➡ +7,534 ➡ +5,278 ➡ +6,035 ➡ +4,896 億円
6週間で +5,132億円の増加を記録しており、国内の機関投資家(信託銀行等のリバランスや事業法人の自社株買い)が、相場の調整局面において強力な下支え役(買い手)として台頭している構図が示されています。ATM IVは、26.7% ➡ 28.4% ➡ 28.3% ➡ 28.4% ➡ 28.1% と、過去5週間は28%前後の警戒域で推移していましたが、今週(06-12)に入り 34.0% へと急騰しました。
これは、これまでの「緩やかな上昇と警戒感の共存」というレンジ相場から、価格が71,250円まで急伸したことに伴う「ボラティリティの急激なシフト(ボラティリティ・スパイク)」が発生したことを意味します。
中長期的な需給構造は、「米系・日系の買い vs 欧州系の売り」という巨大な資金フローの対峙によって形成されています。足元では米系が再び買いを活発化させていますが、IVの急騰(34.0%)は市場の流動性が低下し、突発的なショックに対して脆弱になっていることを警告しています。数週間単位のうねりとしては、上昇トレンドの最終局面に特有の「ボラティリティを伴う乱高下フェーズ」に移行しつつあると考えられ、リスク管理の厳格化が求められる局面です。
※市場全体では買建と売建が必ず一致しゼロです。本値は当システムが公表データから取得できた 参加者・対象商品・対象限月を合計した参考値で、未掲載参加者・対象外限月・対象外商品は含みません。
| 証券会社 | 日経先物合計 (億円) |
TOPIX (億円) |
オプション (億円) |
統合合計 (億円) |
前週比 |
|---|---|---|---|---|---|
|
日系
野村証券
🟡Z:+2.5
|
+24,959 | -4,888 | +0 | +20,071 | ▲ +10,831 億円 |
|
米系
JPモルガン証券
|
-551 | +15,591 | -43 | +14,998 | ▲ +5,634 億円 |
|
欧州系
ソシエテG証券
|
+6,907 | +5,877 | -43 | +12,740 | ▲ +5,720 億円 |
|
米系
シティグループ証券
🟡Z:+2.16
|
+1,677 | +2,068 | +0 | +3,745 | ▲ +1,643 億円 |
|
欧州系
UBS証券
|
+5,569 | -1,863 | +9 | +3,714 | ▲ +2,130 億円 |
|
日系
SMBC日興証券
|
+4,002 | -1,004 | +0 | +2,998 | ▲ +1,653 億円 |
|
米系
ビーオブエー証券
|
-526 | +2,471 | +96 | +2,041 | ▲ +748 億円 |
|
欧州系
ドイツ証券
|
+756 | +1,175 | -1 | +1,930 | ▲ +832 億円 |
|
その他
日産証券
|
+917 | +275 | +0 | +1,193 | ▲ +572 億円 |
|
欧州系
バークレイズ証券
|
+4,735 | -3,494 | -117 | +1,125 | ▲ +999 億円 |
|
その他
インタラクティブ証券
|
+484 | -58 | +2 | +428 | ▲ +226 億円 |
|
その他
フィリップ証券
🔴Z:+4.99
|
+230 | +9 | +0 | +239 | ▲ +120 億円 |
|
その他
三菱UFJeスマート
🟡Z:+2.12
|
+117 | +64 | -1 | +180 | ▲ +82 億円 |
|
その他
東海東京証券
🟡Z:+2.5
|
+106 | -16 | +1 | +91 | ▲ +47 億円 |
|
ネット系
楽天証券
|
+76 | +0 | +0 | +77 | ▲ +38 億円 |
|
ネット系
松井証券
|
+17 | +16 | -4 | +29 | ▲ +11 億円 |
|
ネット系
マネックス証券
|
+4 | +0 | +0 | +4 | ▲ +2 億円 |
|
その他
サスケハナ・ホンコン
|
-37 | +38 | +0 | +1 | ▼ -4 億円 |
|
その他
山和証券
|
+0 | +1 | +0 | +1 | ▲ +0 億円 |
|
その他
豊証券
|
-1 | +0 | +0 | -1 | ▼ -0 億円 |
|
その他
三田証券
|
-5 | +0 | +0 | -5 | ▼ -2 億円 |
|
その他
広田証券
|
-8 | +0 | +0 | -8 | ▼ -4 億円 |
|
その他
岩井コスモ証券
|
-21 | +0 | +0 | -21 | ▼ -11 億円 |
|
その他
岡三証券
|
+0 | -34 | +0 | -34 | ▼ -13 億円 |
|
その他
光世証券
|
-34 | -3 | +0 | -37 | ▼ -18 億円 |
|
その他
立花証券
|
-91 | +0 | +0 | -91 | ▼ -46 億円 |
|
日系
大和証券
|
+755 | -990 | +7 | -228 | ▼ -4 億円 |
|
欧州系
ABNクリアリン証券
|
-376 | -216 | +257 | -335 | ▼ -73 億円 |
|
その他
ナティクシス証券
🟡Z:-2.29
|
-613 | +0 | +0 | -613 | ▼ -312 億円 |
|
米系
モルガンMUFG証券
|
-11,238 | +10,009 | +26 | -1,203 | ▼ -1,829 億円 |
|
日系
みずほ証券
|
-5,393 | +2,788 | +14 | -2,591 | ▼ -1,700 億円 |
|
ネット系
SBI証券
|
-754 | -2,740 | -9 | -3,502 | ▼ -1,437 億円 |
|
米系
ゴールドマン証券
|
-2,116 | -4,651 | -7 | -6,775 | ▼ -2,861 億円 |
|
欧州系
BNPパリバ証券
|
+1,837 | -10,266 | +45 | -8,385 | ▼ -2,896 億円 |
|
日系
三菱UFJ証券
|
-5,561 | -2,982 | -229 | -8,772 | ▼ -4,197 億円 |
|
欧州系
HSBC証券
🟡Z:-2.7
|
-25,885 | -7,177 | -1 | -33,063 | ▼ -15,910 億円 |
データ出典: JPX 取引参加者別建玉残高一覧
生成日時: 2026-06-21 07:10 JST | 建玉基準日: 2026-06-12 | 次回SQ算出日: 2026-06-12(残存 0営業日)
⚠ 本値は簡易Black-Scholesデルタによる概算です。建玉残高は基準日時点であり当日フローではありません。 Dealer GEX・Gamma Flip・ゼロガンマ水準・Pinning は公開データから確定できません。投資判断の参考としてのみご利用ください。