JPX 取引参加者別建玉残高 デルタ金額ベース分析
当日の限月別建玉増減・J-NET・権利行使価格別の当日フロー。週次の参加者別ポジション(建玉基準日時点)とは別レイヤー。
当日公開されたJPXのデリバティブデータ、および指定された参考数値は以下の通りです。
MSQ(7月10日)まで残存16営業日(SQ週前)という時間軸において、先物の主力限月である2026-09限月への移行プロセスが観察されます。日経225miniにおいては期近減・期先増のロールアウトの動きが見られますが、TOPIXや日経225(ラージ)、マイクロ、ミニTOPIXでは期近の建玉が増加、あるいは微減にとどまっており、現時点では本格的な限月交代の加速フェーズには至っていないと考えられます。
日経225オプションのJ-NET比率は70.2%(後場は80.7%に上昇)、TOPIXオプションにいたっては100.0%(終日)となっており、機関投資家等による立会外での大口執行の濃度が極めて高いことを示しています。ただし、J-NET取引は売り手と買い手が相対で合意した取引を執行する場であり、これ単体では「買い越し」か「売り越し」かの方向性を確認することは不可能です。あくまで大口のポジション調整やヘッジ取引が水面下で活発に行われているという事実を示唆するにとどまります。
Put/Call建玉比は1.81倍と絶対値ではプット超過ですが、一般にプットは下値ヘッジ目的で常時積み上がりやすい性質があります。直近4営業日との相対比較(パーセンタイル25%、中央値1.84倍、レンジ1.79〜1.86倍)で見ると、直近の推移の中ではやや下限に近い水準です。これは、直近の数日間に比べると「プットへの偏りが相対的に和らいでいる(コール側の建玉が相対的にやや厚い、あるいはプットの積み増しペースが緩やかである)」状態であることを示しています。
現値目安(66,020)に対し、当日の建玉増加はP68,000(+1,102枚)やP66,000(+800枚)、P66,250(+669枚)など、現値と同等かそれ以上の水準(イン・ザ・マネーまたはアット・ザ・マネー近辺のプット)に集中しています。これは、現値水準における下値サポート意識、または下振れに対するヘッジ需要が活発化した可能性を示唆します。 一方、建玉集中上位としては、上方にC69,000(3,970枚)、下方にC65,000(3,885枚)やP65,000(2,654枚)が控えており、これらは感応度が高い主要な攻防帯の候補となります。 2026-07限月(2607)のmax-painは65,000に位置しており、現値(66,020)から1,020円下方にあります。これは満期時にオプション買い方への支払い総額が最小となる理論上の清算集中点であり、現時点では現値より一段低い水準に位置しているため、SQに向けた下方の引き付け帯(候補)として意識される可能性があります。ただし、これは必ず到達・固定するPinning価格ではありません。
現値(66,020)から上方向へシフトする場合、直近の攻防帯候補であるC66,000(建玉1,390枚)を明確に上抜けるかどうかが最初の焦点となります。ここを上抜けた場合、当日建玉が大きく増加したP68,000(+1,102枚)やP67,000(+525枚)などのプット建玉がサポート(売り方の買い戻し等)として機能し、上方の主要建玉集中帯であるC69,000(3,970枚)に向けた堅調な地合いが形成されるシナリオが想定されます。 * 翌営業日の監視条件: C66,000の上抜けと、同水準でのサポート性の確認。
現値から下方向へシフトする場合、まずは当日建玉が増加したP66,000(+800枚)付近での攻防が予想されます。ここを下抜けると、下方の主要建玉集中帯であるC65,000(3,885枚)およびP65,000(2,654枚)の重複エリア、ならびに2026-07限月のmax-pain水準である65,000(現値下方1,020円)が強力な下値支持候補、あるいはSQ算出に向けた磁力(引き付け帯)として機能するシナリオが想定されます。 * 翌営業日の監視条件: P66,000の下抜け、および65,000近辺での下げ止まり・攻防の有無。
本レポートは当日公開された限定的なデータに基づいているため、需給の方向性をより正確に捉えるためには以下の追加データが必要です。
※AIによる解釈で、断定的判断ではありません。公開データの範囲での示唆です。
| 商品 | 期近(限月/建玉/前日比) | 期先(限月/建玉/前日比) | ロール |
|---|---|---|---|
| TOPIX | 2026-09 391,949 -2,540 | 2026-12 4,455 +0 | - |
| 日経225mini | 2026-09 153,355 -1,496 | 2026-12 3,511 +190 | ロール進行 |
| 日経225 | 2026-09 141,069 +646 | 2026-12 16,898 +8 | - |
| 日経225マイクロ | 2026-09 53,888 +3,233 | 2026-12 2,686 +663 | - |
| ミニTOPIX | 2026-09 36,054 +980 | 2026-12 15 +0 | - |
| 商品 | 総取引高 | J-NET | J-NET比率 | 後場J-NET比率 |
|---|---|---|---|---|
| 日経225先物 | 47,687 | 7,792 | 16.3% | 27.3% |
| 日経225mini | 704,647 | 70,136 | 10.0% | 11.0% |
| TOPIX | 57,005 | 4,590 | 8.1% | 18.1% |
| 日経225オプション | 62,861 | 44,099 | 70.2% | 80.7% |
| TOPIXオプション | 10,039 | 10,039 | 100.0% | 100.0% |
※J-NET比率が高い=大口ブロック/クロス/ロール/裁定/ヘッジが多い可能性。方向性の確定材料ではない。
※max-painは満期清算が寄りやすい参考水準で、Pinning断定ではない。PCRは絶対値でなく過去比で偏りを見る。
| C | 69,000 | 3,970 |
| C | 65,000 | 3,885 |
| P | 65,000 | 2,654 |
| P | 64,000 | 1,635 |
| C | 65,000 | 1,557 |
| P | 64,000 | 1,505 |
| C | 66,000 | 1,390 |
| P | 64,000 | 1,342 |
| C | 68,000 | 1,243 |
| P | 67,000 | 1,232 |
| P | 68,000 | +1,102 |
| P | 66,000 | +800 |
| P | 66,250 | +669 |
| P | 67,000 | +525 |
| P | 65,500 | +500 |
| P | 66,500 | +395 |
| P | 64,000 | +325 |
| P | 66,000 | +278 |
| P | 66,125 | +278 |
| P | 65,000 | +200 |
| P | 68,000 | 1,114 |
| P | 67,000 | 928 |
| P | 66,000 | 808 |
| P | 65,000 | 701 |
| P | 66,250 | 688 |
| P | 64,500 | 567 |
| P | 66,000 | 538 |
| P | 65,500 | 500 |
| C | 69,000 | 482 |
| P | 64,000 | 475 |
※感応度が高い価格帯・建玉集中帯の候補。必ず止まる「Pinning価格」ではない。
※現値指数(71,053円)は取得異常の可能性があり、本レポートでは先物清算値(66,020円)およびATMストライク(66,000円)を基準価格として記述します。
当週(集計日: 2026-06-12)の日本株市場における需給コンセンサスは、「強弱感が極端に対立する、ボラティリティを伴った神経質なレンジ相場」を示唆しています。市場を主導する海外勢のフローは一方向ではなく、ブローカー経由のデータからは明確な役割分担と戦略の乖離が観察されます。
米系ブローカー経由のフローは、前週比で▲3,516億円の買い越しとなっており、一見すると強気に見えますが、その内訳は極めて対照的です。
当週の最も顕著な需給変化は、欧州系の大幅な売り越し(▼9,274億円)と、日系の大幅な買い越し(▲6,494億円)の衝突です。 * HSBC証券(欧州系): 当週▼15,880億円(累積-33,033億円)と大規模な売り越しを実行。Zスコアは-2.69(注意水準)に達しており、欧州系マクロファンドやCTAによる急激なリスクオフ・フローがHSBC経由で執行された可能性を示唆しています。 * 野村証券(日系): 当週▲10,734億円(累積19,974億円)と大幅に買い越し。Zスコアは+2.46(注意水準)。国内機関投資家や逆張り主体の押し目買いフローが野村経由で強く入ったと解釈できます。
【需給コンセンサスの結論】 JPM経由に見られる中長期の日本株買い(TOPIX先物)が下値を支える一方で、HSBC経由の攻撃的な先物売りが上値を抑えており、先物清算値66,020円を中心とした激しい攻防が行われています。
当週のオプション市場において最も警戒すべきは、ATM IV(インプライド・ボラティリティ)の急激な上昇です。 * 今週のATM IV(当週実測値): 34.0%(Put IV: 34.0% / Call IV: 34.1%) * 前週の28.1%から+5.9%と急激に上昇しており、市場参加者が突発的なテールリスク(地政学リスクの再燃やマクロ指標の悪化など)を極めて強く警戒している「高IV局面(パニック的売買の兆候)」に突入しています。
ATM IVが34.0%という高水準にある中、先物清算値(66,020円)はATMストライク(66,000円)の極めて近くに位置しています。この66,000円付近はオプションの建玉が集中する「主要攻防帯(感応度が高い価格帯)」です。 仮に外部環境の悪化により先物価格が66,000円を明確に下抜けた場合、オプション・ディーラーによるデルタヘッジの売り(順張りヘッジ)が機械的に執行され、下落スピードが加速するリスクがあります。特にHSBC経由の売り圧力が継続する場合、下値支持線として期待される65,000円方向への急落に注意が必要です。
一方で、米系(JPM等)によるTOPIX先物買いに裏付けられた実需の買いが機能し、先物価格が66,000円台を維持、あるいは67,000円方向へ反発した場合、溜まっている短期的な先物ショート(GSや欧州系経由の売り玉)の巻き戻し(ショートカバー)を誘発し、一時的な急反発を見せるシナリオも想定されます。
IVが34.0%と非常に高いため、オプションのネイキッド(裸)売りは極めて危険です。方向性を狙う場合でも、クレジット・スプレッドやデビット・スプレッドなど、最大損失が限定されたスプレッド戦略に限定すべきです。また、提示された建玉残高は基準日(6月12日)時点のものであり、リアルタイムの当日フローではない点に留意し、週明けのCVD(累積デルタ)の傾きを確認しながらエントリータイミングを計る必要があります。
個人投資家の動向を反映しやすいネット系は、当週▼1,399億円の売り越し(直近6週では▲2,951億円の増加)となっています。
過去6週間の属性別ポジション推移およびIVの推移を俯瞰すると、市場の構造変化とマクロ的な需給のうねりが見えてきます。
中長期の需給構造は、「米系実需・日系リバランス(買い手)」vs「欧州系マクロ・CTA(売り手)」の構図がより鮮明になっています。IVの急上昇は短期的な波乱を予兆していますが、JPM経由のTOPIX先物に見られる中長期の買いフローが継続する限り、トレンドの完全な崩壊ではなく、ボラティリティを伴った「健全な価格調整と押し目形成」のプロセスである可能性が高いと考えられます。
※市場全体では買建と売建が必ず一致しゼロです。本値は当システムが公表データから取得できた 参加者・対象商品・対象限月を合計した参考値で、未掲載参加者・対象外限月・対象外商品は含みません。
| 証券会社 | 日経先物合計 (億円) |
TOPIX (億円) |
オプション (億円) |
統合合計 (億円) |
前週比 |
|---|---|---|---|---|---|
|
日系
野村証券
🟡Z:+2.46
|
+24,890 | -4,916 | +0 | +19,974 | ▲ +10,734 億円 |
|
米系
JPモルガン証券
|
-550 | +15,681 | -42 | +15,089 | ▲ +5,726 億円 |
|
欧州系
ソシエテG証券
|
+6,888 | +5,910 | -43 | +12,756 | ▲ +5,735 億円 |
|
米系
シティグループ証券
🟡Z:+2.17
|
+1,673 | +2,080 | +0 | +3,753 | ▲ +1,651 億円 |
|
欧州系
UBS証券
|
+5,554 | -1,874 | +8 | +3,688 | ▲ +2,104 億円 |
|
日系
SMBC日興証券
|
+3,991 | -1,010 | +0 | +2,981 | ▲ +1,636 億円 |
|
米系
ビーオブエー証券
|
-524 | +2,486 | +95 | +2,056 | ▲ +763 億円 |
|
欧州系
ドイツ証券
|
+754 | +1,181 | -1 | +1,934 | ▲ +837 億円 |
|
その他
日産証券
|
+915 | +277 | +0 | +1,192 | ▲ +571 億円 |
|
欧州系
バークレイズ証券
|
+4,722 | -3,514 | -116 | +1,092 | ▲ +967 億円 |
|
その他
インタラクティブ証券
|
+482 | -58 | +2 | +426 | ▲ +224 億円 |
|
その他
フィリップ証券
🔴Z:+4.98
|
+230 | +9 | +0 | +238 | ▲ +120 億円 |
|
その他
三菱UFJeスマート
🟡Z:+2.12
|
+117 | +65 | -1 | +180 | ▲ +82 億円 |
|
その他
東海東京証券
🟡Z:+2.49
|
+106 | -16 | +1 | +91 | ▲ +47 億円 |
|
ネット系
楽天証券
|
+76 | +0 | +0 | +76 | ▲ +38 億円 |
|
ネット系
松井証券
|
+17 | +16 | -4 | +29 | ▲ +11 億円 |
|
ネット系
マネックス証券
|
+4 | +0 | +0 | +4 | ▲ +2 億円 |
|
その他
サスケハナ・ホンコン
|
-37 | +38 | +0 | +1 | ▼ -4 億円 |
|
その他
山和証券
|
+0 | +1 | +0 | +1 | ▲ +0 億円 |
|
その他
豊証券
|
-1 | +0 | +0 | -1 | ▼ -0 億円 |
|
その他
三田証券
|
-5 | +0 | +0 | -5 | ▼ -2 億円 |
|
その他
広田証券
|
-8 | +0 | +0 | -8 | ▼ -4 億円 |
|
その他
岩井コスモ証券
|
-21 | +0 | +0 | -21 | ▼ -10 億円 |
|
その他
岡三証券
|
+0 | -34 | +0 | -34 | ▼ -13 億円 |
|
その他
光世証券
|
-34 | -3 | +0 | -37 | ▼ -18 億円 |
|
その他
立花証券
|
-91 | +0 | +0 | -91 | ▼ -46 億円 |
|
日系
大和証券
|
+753 | -995 | +7 | -235 | ▼ -12 億円 |
|
欧州系
ABNクリアリン証券
|
-375 | -218 | +255 | -337 | ▼ -76 億円 |
|
その他
ナティクシス証券
🟡Z:-2.26
|
-612 | +0 | +0 | -612 | ▼ -310 億円 |
|
米系
モルガンMUFG証券
|
-11,207 | +10,067 | +25 | -1,115 | ▼ -1,741 億円 |
|
日系
みずほ証券
|
-5,378 | +2,804 | +14 | -2,559 | ▼ -1,668 億円 |
|
ネット系
SBI証券
|
-752 | -2,755 | -9 | -3,516 | ▼ -1,451 億円 |
|
米系
ゴールドマン証券
|
-2,110 | -4,678 | -7 | -6,796 | ▼ -2,881 億円 |
|
欧州系
BNPパリバ証券
|
+1,832 | -10,325 | +43 | -8,450 | ▼ -2,961 億円 |
|
日系
三菱UFJ証券
|
-5,546 | -2,999 | -226 | -8,771 | ▼ -4,196 億円 |
|
欧州系
HSBC証券
🟡Z:-2.69
|
-25,814 | -7,219 | -1 | -33,033 | ▼ -15,880 億円 |
データ出典: JPX 取引参加者別建玉残高一覧
生成日時: 2026-06-19 03:17 JST | 建玉基準日: 2026-06-12 | 次回SQ算出日: 2026-06-12(残存 0営業日)
⚠ 本値は簡易Black-Scholesデルタによる概算です。建玉残高は基準日時点であり当日フローではありません。 Dealer GEX・Gamma Flip・ゼロガンマ水準・Pinning は公開データから確定できません。投資判断の参考としてのみご利用ください。